ダーツにおいて、試合形式で楽しむゲームの中で、ゼロワンと並んで一般的なゲームであるクリケット。
クリケットのルールは簡単に言えば「陣取りゲーム」ですが、なかなか説明が難しいルールです。しかし、慣れてしまえば意外と簡単なルールですし、遊び方を理解すると、戦略性の高い非常におもしろいゲームです。
今回は、初心者の方でも読むだけでしっかり理解いただけるようクリケットのルールをわかりやすく説明していきます。
また、初心者の方が、最低限知っておくべき基本戦略について解説していきます。ぜひ、参考にしてください。
【注】クリケットにはスタンダードクリケット、ランダムクリケット、ヒドゥンクリケット、カットスローとの4種類がありますが、一般的にクリケットとはスタンダードクリケットの事を言います。「クリケット=スタンダードクリケット」として説明してきます。
1. ダーツクリケットのルール
まずは、クリケットのルールを説明していきます。クリケットのルールは一言で言えば陣取りゲームであり、最終的に相手より多くの得点を持ち、相手が得点できない状態にできれば勝利となるゲームです。
1-1. ターゲットは6つのターゲットとブル
クリケットにおいて対象となるターゲットは限られています。クリケットナンバーと呼ばれますが、下図の通り数字の大きい20、19、18、17、16、15、BULLがターゲットとなります。
1-2. 得点するには先にオープンする(得点する方法)
クリケットは「最終的に相手より多くの得点を持ち、相手が得点できない状態にできれば勝利となるゲーム」ですが、まずは得点する方法の説明です。
クリケットで得点するためには、3マークする必要があります。マークの意味は以下の通り、もしトリプルに入った場合は1度で3マーク獲得することができます。
相手よりも先に3マークすることを「オープンする」と言い、クリケットナンバーをオープンすることで、オープンしたナンバーは自分の陣地となり、それ以降、そのクリケットナンバーに当てると、そのクリケットナンバーの得点を獲得することができます。
一般的には、より大きな数字から狙っていきますので、最初のターゲット20となり、20をオープンし4本目を入れると表示は以下のようになり、相手より20点多い状態になります。
1-3. オープンされたらクローズしよう(相手が得点できない状態にする方法)
次に、相手が得点できない状態にするための方法を説明します。
シンプルに、自分が3マークした箇所では相手は得点できません。
そのため、先の例で示したように、20に先に3本以上入れてオープンした場合も、自分の陣地となりますので、相手は20で得点できなくなります。
また、逆に自分がオープンしたとしても、その陣地に相手が3本入れてしまうと、自分の陣地が消されてしまったこととなり、自分も得点できなくなります。
相手がオープンした箇所に3本入れることをクローズすると言い、表示は以下のようになります。以下の状態になると、どちらのプレーヤーも20での得点をすることができません。
1-4. 得点が高い状態で、すべてのターゲットに3本入れれば勝利!
自分の陣地を獲得(オープン)し、加点し、相手の陣地を全てクローズ。
これを繰り返していき、最終的に、得点が勝っている状態で、すべてのクリケットナンバーをオープン、もしくはクローズすることで勝利となります。
2. クリケットの基本戦略
クリケットのルールを押さえていただいたところで、クリケットで勝つための基本戦略を押さえていきましょう。
2-1. まずは高い数字をオープンして加点しよう
クリケットの前提として、相手より得点が勝っていることが前提です。
そのため、相手より多くの陣地を獲得することよりも、相手より得点をリードする状態にすることを優先しなければなりません。
もし、相手より点数がはるかに低い状態で、自分の陣地を19、18、17と広げていったとしても、自分の陣地を相手にすべてクローズされてしまえば負けてしまうからです。
そのため、自分のターンが終わる際は相手の点数をオーバーしておくことを何よりも優先しましょう。
ターゲットは、当然、クリケットナンバーの中で最も多くの得点が可能な20から狙っていきます。
2-2. 相手より得点が勝っていたらすかさずクローズ
逆に、相手より得点が上回った状態を作ることが出来れば、有利な状態ですので、相手の陣地をクローズしていきましょう。
相手の陣地をクローズしていくことで、逆転されるリスクを減らすことができます。
3. クリケット攻めと守りの基本戦略
ゼロワン等のゲームは、狙う箇所がほぼ決まっているのに対して、クリケットは状況や取るべき戦略によって、狙うターゲットが変わってきます。
戦略のスタンス別に、狙うべきターゲットのセオリーについて説明していきます。
3-1. 守りの戦略はとにかく加点
守りの戦略は、とにかく加点していくことです。
もちろん加点の戦略を取ることによって、相手にチャンスが生まれてしまう可能性もありますが、相手の陣地をクローズするよりも、加点していく方が、少ないリスクでゲームを進めていくことができます。
以下の例を見ていきましょう。
あなたはPlayer1、3投のうち残り1本を残して、相手の点数をオーバーすることができました。
残り1本はどこを狙いましょう?
逆転したことを理由に、残り1本を相手の18をクローズする狙いで、18のトリプルを狙ったとします。
もし、18のトリプルを外してしまいシングルに入ってしまうと、相手は次の状態でターンを迎えることになります。
相手は3本ありますので、容易に逆転でき、あなたの17もクローズされてしまうかもしれません。
もし、残り1本を加点にまわし、17のトリプルに入れることができた場合、相手は次の状態で自分のターンを迎えます。
1本トリプルに入れただけでは、逆転することができず、逆転するには最低4マーク必要です。加点を選択したことで、相手に逆転される可能性を減らすことができました。
3-2. 攻めの戦略はクローズ
残り1本でクローズを狙い、外してしまうと逆転されるリスクが高まりますが、もし、1本でしっかり相手の18をクローズすることができれば、以下の状態になります。
18をクローズされてしまった相手は、3本で16をオープンし、さらに2本入れなくては逆転することができない状態に追い込まれます。逆転するには最低5マーク必要です。
このように、クローズを狙うことは、失敗の代償は大きいものの、成功した際の見返りも大きい、ハイリスクハイリターンの戦略であり、まさに攻めの戦略なのです。
この状況の中で、加点を選択するか、クローズを選択するかに正解はありません。
局面、局面で攻めるか守るかを判断し、加点するかクローズするかを判断していきます。このあたりがメンタルスポーツであるダーツのおもしろさの一つでもあります。
4. クリケットで知っておくべき2つのアワード
クリケットについて、基本ルールと基本戦略について説明してきましたが、最後にクリケットを楽しむ上で欠かせない知識として2つのアワード(用語)を押さえておきましょう。
4-1. スリーインアベッド(THREE IN A BED)通称ベッド
スリーインアベッドとは、一つのトリプルに3投すべてが入ることです。
通称”ベッド”と言い、決まった際の掛け声として「ナイスベッド!」と言ったりします。あの小さい的に3つすべてです。なかなか難しいですが、決まると試合も優位に進めることができます。
※トリプルではなく、同じダブルに3本入れることもスリインアベッドですが、わざわざ3本共ダブル狙う局面はないと思うので、偶然でしか起きえない事象ですね。
4-2. ホワイトホース(WHITE HORSE)通称ホース
ホワイトホースとは、異なる3つのトリプルに1本づつ入れ9マークを達成することです。
通称”ホース”と言い、決まった際は「ナイスホース!」と掛け声します。
決まるとかなり気持ちの良いアワードですし、決まると一気に逆転!なんてことになり得るアワードです。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
ダーツ初心者の方がクリケットを今すぐ楽しんでいただけるよう、クリケットのルールと共に基本的な戦略を説明してきました。
クリケットは、非常に戦略性の高いゲームで、スキルだけでなく、戦略やメンタルも必要なゲームです。ぜひ、紹介した基本戦略を押さえつつ、自分の得意な戦略を作ってみてください。
さいごのさいごに補足です。
ここまでの説明で「クリケット=スタンダードクリケット」として説明してきましたが、それ以外のクリケットのルールについても簡単に説明します。
ランダムクリケット
基本的なルールはスタンダードクリケットと同じですが、クリケットナンバーがスタンダードクリケットが20、19、18、17、16、15、BULLなのに対し、ゲームごとにランダムに変わるルールです。
ヒドゥンクリケット
ヒドゥンの名の通り、クリケットナンバーを隠して行うゲームです。運の要素が強いため、ダーツのスキルレベルの違う人同士でも楽しむことができるゲームです。
カットスロートゲーム
3人以上で楽しむことができるクリケットです。
スタンダードクリケットと大きく違うのは、最終的に点数が低いプレーヤーが勝ちとなるということ。3マークして自分の陣地を作るのは同じですが、4本目以降は、自分以外全員の得点を増やすことができます。相手よりも低い点数のまま、相手から加点されない状態を作ったプレーヤーが勝ちです。
複数人で一緒に楽しめるゲームです。
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